Paris通信 フランスにもノンアルブームが!?
フランスにもノンアルブームが!?
早いもので2025年も、すでに3ヶ月が経過しました。
日ごとに春が近づいていることを感じる、今日この頃のパリです。
2025年1月から今日までのパリを振り返ると、
1月のドライジャニュアリーが印象的でした。
ドライジャニュアリーとは、2014年にイギリスで始まった運動で
「パーティ続きの12月が終わった1月、
1ヶ月間アルコールを飲まずに過ごそう!」という、
ちょっとしたチャレンジのような新習慣です。
正式にフランスに上陸したのは2020年。
フランス公衆衛生庁が、大々的にキャンペーンを打ち出しました。
以来、年を追うごとにフランスの人たちから積極的に受け入れられ、
今年1月はワインショップのウインドーもノンアルコールのドリンクが花盛り!
パリ在住27年の私は、
「ボルドーワインとシャンパーニュの国フランスが、
よくここまで変わったものだ(業界がよく黙ったものだ・笑)」と、この変化を感心しながら眺めています。
それだけ、心と身体の健康が、
フランスの人たちの関心事になっているということですね。
そんな今年1月、ノンアルコールシャンパンFrench Bloom のパーティが、
最高級ホテルの1つ、ル・ムーリスで開催されました。
【French Bloom】https://www.frenchbloom.com/
※写真のコピーライトは全て ©Saint-Ambroise
フレンチブルームは、
本格ノンアルコールスパークリングワインのブランドで、2人の女性が開業者です。
ひとりはミシュランガイド出身のマジー・フレールジャン=ティタンジェさん、
もうひとりは元モデルのコンスタンス・ジャブロンスキさん。
「妊娠した女性たちが、料理に合わせる飲み物がない」ことを、
ご自身が妊娠した際に体験したマジーさんと、
職業柄ウエルネスに真剣に取り組むコンスタンスさん、
2人の友情から誕生した飲みのものがフレンチブルームなのだそうです。
名前からピンときた方もいらっしゃるかと思いますが、
マジーさんの夫ロドルフ・フレールジャン=ティタンジェさんは、
シャンパンメゾン「フレールジャン」の社長。
彼の全面的なバックアップを得て、
これまでにない本格的なノンアルコールスパークリングワインが完成したという・・・
そのリリース時の2021年、
私はたまたまギャラリーラファイエットのポップアップコーナーで、
フレンチブルームを初めて試飲していました。
その時の感想は、
「もちろんシャンパンとは違うけれど(アルコールが入っていないので当たり前です)、
でも決してこどもだましではないな」という、
表現が貧困で心苦しいですが、そんな印象だったことを覚えています。
で、今回、ル・ムーリスのパーティでじっくりと飲んでみて、
「確かにしっかりと作られている」と実感。
ノンアルコールながら、複雑さや深みを感じるのです。
新しいキュヴェも誕生し、さらにグレードアップ。
日本上陸も近いと思われますので、機会がありましたらぜひお試しを。
フレンチブルームは、パーティの華やかさと、
大人が納得できる味わいを与えてくれる、いい選択肢の1つだと思います。
お酒と美食が大好きな人でも、
いつでもどこでもシャンパンを飲みたい訳ではないですから、
ノンアルコールの選択肢はありがたいはず。
健康上の理由からアルコールを制限しているなら、なおのことです。
さて、パーティ会場には、
身体のラインが美しく出るドレスで着飾った、お腹の大きい女性たちの姿が多く見られました。
みなさん華奢なパンプスを履いて、手にはフレンチブルームのグラスを持って。
妊娠中だからといって、社交の場から遠ざかってしまうのはナンセンス、
そんなメッセージが伝わってくるようでした。
コンスタンスさんもぴっちりとした黒いシルクのドレスを着ていて、
大きなお腹がとてもとても魅力的に見えました。
人生のあらゆるシーンで、その時、その瞬間を謳歌する!
実にポジティブなパーティでした!
締めくくりは、世界一のフォロワー数を誇る
スターシェフパティシエ、セドリック・グロレさんによるバースデーケーキが登場!
このタイミング、私はすでに会場を後にしていて、
残念ながグロレさんのデザートを食べてはいません。
でも上質なフレンチブルームと、
野菜ベースの美味なフィンガーフードbyアラン・デュカスを
たくさんいただき、十分満足していました!
しかも翌日にまったく響かない。 いうことなしです。
それではまた、
アビアントー!

Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。