#002 南仏アンティーク買い付けの旅 ヴィドグルニエ編
インテリアに古いものを添えると、暮らしに情緒が生まれます。
古い時代のものならではの手の込んだ装飾や風合い、長く大切にされてきたものだけが持つ美しさ
ブランドジュリエのお客様にも、古くて美しいものをとりいれたインテリアご紹介したくて、
南フランスにアンティークの買い付けの旅に出かけました。
ブランドジュリエにとって、はじめての本格的なアンティーク買い付け。アヴィニヨン近郊のメゾン・ドットに滞在して、トラックでアヴィニヨン、モンペリエ、エクサンプロバンス、その他小さな村のさまざまなマーケットを巡り、素敵なものを集めてきました。
フランスのアンティークマーケットには、「エクスポジション」と呼ばれるプロが集まる大規模なフェア、プロ向けの市「アンティーク」、出店はプロでお客さんは一般向けの「ブロカント」、「ヴィド・グルニエ」(押入れから持ち出したものを~という意味)という日本のフリマのような気軽なものまで、さまざまなマーケットが開催されています。
初日は日曜ということもあり、腕ならしがてらアヴィニヨン近くの小さな村の「ヴィド・グルニエ」へでかけました。
宿から車を走らせて、古城のある小さな村のヴィド・グルニエへ。中世の建物や街並みがそのまま残る美しい村!
旧市街を取り巻く川沿いに、約2キロメートルにわたって続くマーケット。家族で出店しているお店もあって、和やかなムードです。好きなものを見つけても、「ん~、でも、これ新しそうだから……」と悩んでいるのをみかけたりします。やっぱりフランス人は古いものに価値を見出すようです。日本にもアンティークお好きな方はたくさんいらっしゃいますが、やっぱり少し特別なもの。フランスではごく普通の生活に根付いていることを実感させられました。
(左)南仏らしいぽってりとした陶器と、古い版画。センスのいいおしゃれなマダムが出品していました。
自宅から車で運んでくるので、家具類はあまり出ていないのですが、時折見かける家具はとってもお買い得。パリやリルシュルソルグに比べたら数十分の一!最近までご自宅で使っていたものが多いので、塗装や表面の傷みはあっても、つくりはしっかりしていて修復しなくても使えるのが魅力です。
フラワーベースやカップ&ソーサーなど、素敵なものがいろいろみつかりました!一緒に歩いているのが、今回、アンティーク買い付けの旅でお世話になった岡本さんご夫妻。愛媛の松山で「Bolt」(ボルト)というブロカントショップ&内装デザインの会社をされているセンス抜群のお二人です。
たくさんの荷物を抱えて石段を昇っていた私たちを見かねて、手助けしてくれたフランス人のご家族。ヴィド・グルニエのある週末は、お散歩がてら必ず訪れているそう。フランス人にとって蚤の市はホビーと言えるほど、日常的。
朝、蚤の市を散策して、ブランチやランチを食べるのがフランス人の休日の過ごし方。私たちもフランススタイルでブランチ。いつもフランスに行くと外でお食事やお茶をします。少しぐらい寒くても暑くてもきにならないのはナゼ? 日本ほど湿気や風がないから? 街並みが美しいから?
カフェの向かいにあった教会。中世からずっと変わらず村を見守り続けているそうです。
教会の脇を通りかかったときにちょうどはじまった礼拝。漏れ聞こえてくる讃美歌に耳を傾けていたら、素敵なマダムが招き入れてくださいました。ため息がでるほど美しい光景です。
メゾン・ドットに帰る道すがらの街でもブロカントが開催されているとの情報を得て、一路、次の街へ!街道沿いには美しい街路樹が。じつはこの時点で、まだ朝の10時。買い付けは朝が勝負。朝5時には宿を出発して、はりきって買い付けしています。
観光客も多い、ちょっと大きめの街のブロカント。朝イチに訪れた村のヴィド・グルニエよりも洗練された雰囲気でした。出店者はおおむねプロですが、ときおり貴族の末裔がお小遣い稼ぎに出店していたりして、掘り出し物がちらほら!
ヴォレー(鎧戸)を専門に扱うディーラーも。
初日は早目に切り上げて、宿に。お世話になったメゾン・ドットは、南仏の田舎家のイメージどおりの佇まい。牧歌的な雰囲気で時間の流れが全く違うように感じました。敷地内に牛や馬がいて、朝は鶏の鳴き声で目覚めます。ほかにもかわいいネコちゃんたちや、牛のように大きなワンちゃんも走り回っています。
ここを拠点に、毎日トラックで四方八方へでかけていくのです。
メゾン・ドットの近くの村を散策してみつけたカフェ。目抜き通りの商店街が10メートルほどで終わってしまう小さな村だけど、カフェはしっかりあって内装も今ドキ風でおしゃれ。フランス人にとって、やっぱりカフェは欠かせない存在なのですね。 休日の午後のカフェは、もっぱらお父さんたちの社交場。とーっても甘そうなスイーツやパフェをほうばりながら、楽しそうにおしゃべりをしているおじさん集団があちこちに。
バゲットを買いに立ち寄ったブーランジェリーのショーケース。ルリジューズやタルトフレーズ、エクレア、シューなど定番のケーキがずらり!美味しそう~、でも、今日はすでにカフェでスイーツを食べちゃったし……
こんな大量の生のオリーブが!南仏ならではですね。教えてもらったレシピどおりに塩漬けのようなものをつくってみたのですが……とにかく渋い。お酒のつまみには合うのかな? オリーブのレシピを親切に教えてくれたマダム。私たちが旅行者だと知ると、バジルの鉢植えをお土産にくださいました。感激!
おいしそうな食材が手に入り、ハーブのおまけまでもらえてご機嫌。鼻歌気分で!楽しい~~
街で買ってきた食材でポトフの晩ごはん。胃にやさしい温かなスープはフランスで作る定番のお料理。おいしいバケットがあれば大満足です。野菜やお肉はどれも味が濃厚で甘く、ハーブを入れただけのポトフだけど日本で作るより数倍おいしい!!お料理が上手くなったと錯覚します(笑) フランスは農業国なので、基本的にはすべてがオーガニック。体に優しく温かなお料理に芳醇な香りがたってとても幸せな気分に。フランスに到着したばかりの日はいつもお部屋で手軽なものをつくって、のんびりと。翌日からのハードワークに備えます!