#003 南仏アンティーク買い付けの旅 エクスポジション編
プロ向けの大規模なアンティークフェア フランス最大級のエクスポジションに、いざ出陣!
ブランドジュリエにとって、はじめての本格的なアンティーク買い付け。ハイライトは年に2回だけ開催されるフランスで最大規模のエクスポジションへの参加でした。フランス中からアンティークショプのバイヤーやディーラーが集まるビッグイベントの初参加に胸が高鳴ります!
真っ暗なうちに懐中電灯をもって宿を出発。車で1時間ほど走って会場に到着する頃、ようやく夜が明けてきました。駐車場の入口にはトラックが列を連ねています。出店者はもちろん、購入する側も大型トラックで乗り付け、大量に買い付けていきます。
会場の一部。トラックが停車している駐車場と、「G」「H」と書かれている建物、すべてのスペースを使って開催されます。このようなエリアがあと4か所分あるそう!! 日本ではとても考えられない規模です。
トラックからアンティークの積み荷がどんどんおろされていきます。
開場を待つバイヤーたち。皆真剣です。今回初めての体験でしたが、一つしかないアンティーク。買いそびれたらも二度とは手に入りません。朝が苦手な私もパキっと目が覚めます!
積み荷を降ろすそばから、目ぼしいものはどんどん売約済みに。パリの有名なバイヤーやアンティークショップのオーナーの姿もそこかしこに!
屋根の装飾。どのように使うのでしょう? ほかにも階段専門の店などもあり、奥深さを実感しました。灰色のトタンやスレートの屋根はパリの象徴。19世紀にパリ市街を大々的に改造したオスマンによってパリの建物の屋根が灰色のトタン板で覆われた背景があり、その当時のものは価値があるとか。
屋内のブース。屋外に比べエレガントなものが並んでいます。
シルバーのカトラリーは人気のアイテム。専門のブースもいくつかあり、純銀やスターリングシルバーのケース入り(フルピース)、ヴィンテージのクリストフルなど人気のものが揃っていました。
暗いうちから頑張ったご褒美は温かなカフェクレームとパンオゥショコラ。ミルクが濃厚でバターの香りが最高! 会場内のカフェスタンドで休憩して、もう一回り。
初体験のエクスポジションは驚きと興奮の連続でした。トレンドをおさえた質のいいものが集まっていて、ディーラーの知識も豊富。いろいろ勉強になりました。その分、価格もそれなり。ブロカントやヴィド・グルニエの相場に慣れてきていたところだったので、じっくり吟味することができましたが、もし初日に訪れていたら、散財していたかもしれません(汗)。このあたりの心理も考えてプランを組んでくださった岡本さん夫妻に感謝です!
エクスポジションでの買い付けの成果は上々。たっぷり用意した梱包材も底をつき、帰りの道すがら会場そばの巨大ホームセンターに立ち寄りました。
本格的な品揃えで、DIYをされる方にはワンダーランド!! フランスならではのカラーリングのペンキやパーツ、工具類もいちいちお洒落。ついつい長居をしてしまいました。
こんなかわいい猫脚のバスタブが7~8万円(500~600€)! バスタブや洗面シンク、システムキッチン、そして階段のキットまで、ありとあらゆるものが販売されていました。
お洒落な素材がいっぱい。このアンティーク調の床材も、まるで本物の古材のようで、とってもよくできています!
なかでも石材のライナップは圧巻!さすがフランスならでは。フランスの南部やイタリアのジェノヴァは有名な大理石の産地です。日本でよく見る大理石とは違い、色がお洒落な上にマットな風合いに仕上げられているので、床だけでなくテーブルの天板や外壁素材としても素敵です。持って帰りたい~
ブランドジュリエの旧店舗の床がまさにこの大理石でした。よく褒めていただいて、お客様のポーチや店舗用の床に何軒か納めさせていただきました。新店舗にも使いたかったのですが、絶対に剥がせないと言われ、泣く泣く置いてきました(涙)。
たまたま訪れたホームセンターでしたが、アンティーク同様にDIYもフランス人にとって欠かせない楽しみのひとつということを気づかされました。フランス人に休日の過ごしかたをうかがうと、蚤の市散策、お家のDIY、友人を招いてホームパーティという答えが返ってきます。ホームパーティも、ちょっとしたおつまみを持ち寄ってワイン飲みながらおしゃべりをするという気ままなもの。家族や親しい友人、住まい、そして自分らしさを大切にするフランス人ならではのライフスタイルだといつも感じていましたが、日本でもこのようなライフスタイルを好む方が増えてきたように思います。ブランドジュリエも、そんなライフスタイルのお手伝いができるよう、素敵なものをどんどんご紹介していきたいと思っています。