ブランドジュリエ paris通信 パリのテラス
パリの夏、テラスは今年も健在です!
日本は梅雨入りしたとも、
暑い日が続いているとも聞いています。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
パリは、アフターコロナの2020年夏ではありますが、
例年と同じように街のあちこちにテラスが登場し、
心からほっとしています。
前回のパリ通信でもお伝えしたとおり、
パリ市内の飲食店は「テラス席のみ」という制約のもと、
6月2日から営業再開していました。
6月15日からはその制約もなくなって、
ようやく以前のように外食を楽しめる生活です。
今回は、パリの夏の風物詩であるテラスの写真を、
いくつかお届けします。
まずは6月2日、テラス解禁当日の、
プラスディタリー(イタリア広場)、夜8時をまわった
カフェ・ジュールのテラスから。
いつも大賑わいのカフェ・ジュールは、
フランスの小説家ミッシェル・ウエルベックの
最新作「セロトニン」に登場します。
ファンはぜひ足を運びたくなりますね。
写真からはあまりわかりませんが、
通常よりも各グループの間隔が開くように、
テーブルが配されています。
お客さんのマスク着用率は、とても低いですが・・・
続いて同じ6月2日夜8時すぎの、ビュットー・カイユエリア。
ここは街中が歩行者天国になる勢いで、
大勢の人が外に出ていました。
歩道にテーブルを出すだけでは飽き足らず、
石畳の車道にもテーブルが!
しかも、もはや屋外用のテーブルや椅子ではありません、
屋内用のソファを外に出しているのです!
それがまた、
なんともいえないくつろぎの演出になっていました。
ここでちょっと、インテリアの話をさせてください。
ガーデンチェアの上に
リビング用の布張りクッションを置く、というように、
通常外では使わない屋内用のインテリアを
あえて屋外で使うと、とても贅沢な気分になります。
パリジェンヌが大好きなバカンス地の一つ、
モロッコのマラケシュでは、
立派な絨毯をテラスに敷き詰めたり、その上に
これまた立派なソファやクッションを置いたりするのが
伝統なのだとか。
私の住まいにテラスやウッドデッキがあったら、
そんなエスプリを取り入れたいものです。
ご参考までに、夏季限定で
ギャラリーラファイエット屋上に登場する
ベジタリアンレストラン「クレアチュール」の写真を。
マラケシュ風、屋外インテリアの好例です。
ここビュットー・カイユは、
昔懐かしいレトロな雰囲気の残るエリアとして、
若いパリジェンヌ、パリジャンから人気です。
テラスから溢れた若者たちは、
噴水のある広場でピクニック状態でした。
こういう自由なムードこそ、パリ! ですね。
ビュットー・カイユを離れ、セーヌ川へ移動しましょう。
フランソワ・ミッテラン国立図書館そばのセーヌ岸には、
毎夏ずらららら〜っと、たくさんのテラスが並びます。
その中でも有名なのが、ここ、プチ・バンのテラス。
プチ・バンは、
セーヌ川に浮かぶ停泊船のライブハウス兼レストランで、
岸にはご覧のとおり、
とてもカラフルなテラスを広げています。
天気の良い日曜日の午後だったこともあり、
パリジェンヌ、パリジャンが
思い思いにくつろいでいました。
感染症対策に注意しつつも、
やっぱり日光浴の快感を諦めるなんて、
彼らにはできそうにありません!
重ねて申し上げますが、感染症対策は万全に。
テラス解禁から約2週間、
私も何度かテラスを楽しみました。
まず1回は、最高に幸せな気分に浸らせてくれる、
「テラスで飲むシンプルな生ビール」を味わいました。
日本のようにジョッキではなく、グラスで、
おつまみも注文せずに単品で。
シャンパンはいつでも、もちろんおいしいですが、
よく晴れた日のテラスで飲む生ビールも捨てがたいです。
こうしてテラスで読書したり、
ノートに何かを書き留めたりする時間は、
たった数ユーロで得られる最高の贅沢。
「たくさんお金がなくても幸せになれるから、パリが好き」という方は、多いかもしれません(私のように)。
別の日には、友人と二人でアジアランチをしました。
「ボブン」というベトナム料理、
ご存知の方も多いと思いますが、
これがパリジェンヌから人気なのです。
ヘルシーで、ワンプレートなのにバランスが良く、
しかもボリューム十分なところが人気の理由のようです。
天気の良い日に、テラスのパラソルの下で食べる
アジアランチ、なかなかオツでした。
また他の日には、久しぶりに深夜過ぎまで
カフェのテラスで過ごしました。
ブルゴーニュの白をカラフで注文し、チーズの盛り合わせと。
チーズの盛り合わせには、ブルターニュ産バターと、
ボンヌ・ママンのジャムが添えてありました。
気取らない店の、気取らないチーズ盛り合わせですが、もうこれだけで外出制限後の私にはたまりませんでした!!
この日はやや肌寒く、
テラスにはストーブがついていました。
こんな感じで、パリは再稼働しています。
また自由に移動し、
自由に旅行を楽しめる日が来ますように。
それではまた、アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。
食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。
また、翻訳家として単行本も共著。
keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中