ブランドジュリエ paris通信 ルーブル美術館

7月6日再オープンした

ルーブル美術館へ!

 

コロナ危機を受け閉館していたルーブル美術館が、
7月6日、約4ヶ月ぶりに来場者を迎えました!

人数制限があり、マスク着用が義務付けられ、
あらかじめサイトから予約が必要とのことで、
アフターコロナのニューノーマルがこんな所にも見られます。

 

7月6日の再開初日の様子は、
フランスの各メディアで報道されました。

 

通常とは違って観光客の姿はほぼなく
(誰もが予想したように・・・)、
来場者のほとんどがフランス人とのこと。

いろいろな制約を彼らがどう感じているのか?

 

気になりましたが、
「空いていて見学しやすいです」
「入場も、絵の鑑賞並ばずに済むので、
このシステムの方がいいですね」など、
意外にも好意的な意見が伝えられました。

 

これを聞き、「どうせ希望者殺到で予約できないだろう」と、はなから諦めていた私の気持ちも変わりました。
すぐにサイトを見たところ、十分予約できる状態! 
即7月8日11時入場のコマを予約したのです。

 

 

当日、時間通りルーブル美術館に到着。

現在入場は1箇所のみ、
正面玄関のガラスのピラミッドからになります。

 

いつもは長蛇の列を避け、
地下のカルーゼル・ド・ルーブル側から入場する私ですが
やっぱり正面玄関は高揚感が違います!!

入り口に、
マスク着用や安全距離の確保を知らせるイラストと、
アルコールジェルが設置されていました。

 

これもやはり、ニューノーマル。

 

 

さて、この日の私の目的は、モナリザに会うこと!

人数制限のおかげで空いている今だからこそ、
いつもは人だかりでじっくり鑑賞できない
モナリザに会っておこう、という作戦です。

 

また、ルーブル美術館は巨大すぎて
作品コレクションも豊かすぎて、
いつもとても疲れてしまうのが悩み。

肝心の芸術鑑賞の
エネルギーがなくなってしまいませんか?

現在は鑑賞できる場所も制限されているとのことなので、
それならいっそ私の方も鑑賞作品を絞り込もう、
という作戦でもありました。

 

 

シュリー翼、ドゥノン翼、リシュリユー翼・・・
3つのアネックスからなる巨大なルーブル美術館。

この日は迷わず、モナリザの表示に従って
ドゥノン翼へ直行。

迷いがないのは余計なエネルギー消耗を防ぐ
最良の策かもしれない、などと思いながら
ずんずん進んでゆくと、目の前に・・・サモトラケのニケ!

 

さすがルーブル美術館、
目的のモナリザに到達するまでの道々さえもが、
名作でいっぱい!
という基本的なことに、改めて驚いた次第。

 

サモトラケのニケは紀元前200年頃の彫刻で、
ルーブル美術館内の説明書きによると、
鑑賞のベストポイントは向かって右ななめ45度。

 

 

ダイナミックな躍動感と、肢体にまとわるヴェールの薄さ、これを石で!

実際に目の当たりにすると、その生々しさに圧倒されます。大理石とは思えません・・・

 

 

反対サイドは、右サイドに比べると表現がシンプル。

というのも、
もともとこの像が置かれた場所の都合で
左サイドは建物に面し、
人々の目に触れないことが最初からわかっていた為に
作家が時間をかけなかったから・・・
という説明が美術館内にありました。

とはいえ、私としては
こちらサイドの方が写真映えすると感じました。
なぜなら窓からの自然光が差し込むから。
自然光のおかげで、細部まで鑑賞しやすかったです。

ベストポイントの方に窓があったら、
なおよかったかもしれませんね。

 

 

先へ進むと、今度はボッティチェリのフレスコ画。
さらに先に進むと、ダヴィンチの絵画が並び・・・
そんな中に、奇妙な絵がありました。

なんだろう? 気持ち悪いな。

そう思い写真を撮って、その場で娘たちへ送りました。
後でフランス政府公認ガイドの友人に
この絵の話をしたところ、
アンドレア・マンテーニャという作家の
「美徳の勝利」という名作だ、と教えてくれました。
無教養でお恥ずかしい・・・

 

 

1502年の作品、
「徳の庭から悪徳を追放する女神ミネルヴァ」とも
呼ばれるとのことで、どおりで不気味な面々が・・・

「マンテーニャは、見れば見るほど発見があって飽きない」というのが、そのフランス政府公認ガイドの意見でした。

私は見てすぐに
「美しい」と感じられる作品を好んでしまいますが、
芸術愛好家や歴史家たちには、一筋縄ではいかない
こういった作品の方が面白いのでしょう。
確かに見れば見るほど奇妙で、色々と考えてしまいます。「悪徳と言われても、不具者は悪ではないでしょう」など・・・

 

この先が、お待ちかねのモナリザの間!

 

ちょっと並んで、真正面から対面しました。
こんなふうに間近で、真正面から鑑賞するのは、
実に30年ぶりかもしれません!

「モナ・リザ」、不思議な絵画だと思います。

 

初めて見たときは、その小ささにびっくりしました。

暗い色彩の小さなこの絵を、
どうして世界中の人々が
パリに来てまで見たいと思うのか?
モナリザさん、そんなに美人とも思えませんし・・・

 

が、ある日、誰かに付き合って
この絵を遠くから眺めていたときのこと。
ぼーっとしていた私に、
モナリザがふっと微笑みかけたのです! 
身体が凍りつくかと思いました! 怖かったです・・・

 

この絵画に魅せられた人たちはみんな、
この体験をしたに違いない。そう確信しました。
みなさんはどうでしょう? 
ご意見お聞かせ願いたいです。

 

私は、斜め左から見るモナリザが好きです。
この日も何度も、モナリザは私に微笑みかけてくれました。
絵の中の人物の表情が動くのですから、
一体どういった技術なのでしょうね!

 

さあ、目的も果たし、帰るとしましょう。

 

その帰り道までもが、名作のオンパレード。

ちなみにモナリザの向かいの壁には、
大作「カナの婚礼」が飾られているのですから、
本当に贅沢なことです。

 

 

社会科の教科書で親しんだ「民衆を導く自由の女神」。
ソファに座って、じっくり鑑賞しました。

 

この同じ間に、「メデューズ号の筏」他の名作もあります。
繰り返しになりますが、本当に贅沢なこと。

 

この夏のうちに、
またルーブル美術館へ行きたいと思います。

今だからできるピンポイントに
目的を絞った見学を、たくさんしておきたいです。
次回の目的は、ミロのヴィーナス。
この像にも、ある日ハッとさせられました。
「この人は男性だ!」と。

 

遠出のできない2020年の夏ですが、かえって
パリをじっくり堪能できるいい機会になりそうです。

 

日本でも
コロナウイルス第二波が懸念されつつあると聞きます。
今だからできること、自分の足下や身の回りを
もう一度新しい眼差しで眺めてみる・・・
そんな機会なのかもしれません。

 

それではまた、アビアントー!

 

 Keiko SUMINO-LEBLANC
 パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者

1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。
食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。
また、翻訳家として単行本も共著。

keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中

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