ブランドジュリエ Paris通信 2020年、パリのクリスマス
2020年、パリのクリスマス
試練の2020年も、いよいよ師走。
パリの街に、クリスマス飾りが登場しています。
今年フランスの人々は、2度の外出制限を体験しました。
通算4ヶ月半もの間、
外出のたびに許可証を携帯する生活を強いられたのです。
日頃から自由・平等・友愛の理想を掲げ、
反骨精神逞しいフランス人が、
移動の自由を奪われて
4ヶ月以上もおとなしくしていた状況を、
「本当は、フランス人は自分たちがいうほどには、
自由を求めていない」
と分析した知識人もいました。
「外出制限を守ったのは、自由・平等・友愛の、友愛のため。
他のみんなを守るためにやったこと」とは、
私の長女の弁です。
私も彼女の意見に賛成です。
何故なら、フランス人は団結するとなると、
本当にガッツリと一つになるから。
その姿を、シャルリーエブド襲撃事件の後の
「共和国の行進」デモなどで、私も実際に見てきました。
友愛と連帯意識の強さで
彼らにかなう国民はないだろう、と感じるほどです。
前置きが長くなりましたが、試練を通過した2020年に、
こうしてまたクリスマス飾りを見ることができる。
ありがたいことです。
オスマン通りの街路樹に灯った
イルミネーションを眺めながら、
阪神・淡路大震災からの復興を祈念し開催された
神戸ルミナリエを、
1995年に初めて見た人たちの気持ちを思いました。
今年もこのイルミネーションが見られた、
また以前の日常が戻ってきて欲しい、
また将来に目標を定めて頑張りたい、
また、また・・・「希望」は、必要最低限だと思います!
11月28日(土)、2回目の外出制限が一部解除され、
商業施設が再開した翌日。
日曜日に撮影した、ギャラリーラファイエットの
クリスマスツリーをご覧ください!
今年のギャラリーラファイエットのクリスマスツリーは、「クリスマスの旅」がテーマです。
てっぺんにはロシア風のオーナメント、
もみの木をオランウータンがよじ登り、
アジアや中東のランタンが揺れ、
いろいろな国を象徴する要素が盛り込まれていました。
そして今年も、30分ごとに音と光のスペクタクルが!
オーナメントが動き出し、なかなか見応えがあります。
そうそう、クリスマスツリーの上を飛ぶ赤いプロペラ機は、
1919年にギャラリーラファイエットの屋上着陸に成功した飛行機への、オマージュなのだそうですよ。
当時は
そのような飛行機の競技が盛んに行われていたそうです。
セーヌ川を渡って左岸へ移動し、ル・ボンマルシェへ。
ここは毎年のことながら、夢のように上品でシック。
師走ならではの活気や賑やかさは
ギャラリーラファイエットが1番だとしても、
優雅な気分に浸りつつ
落ち着いてクリスマスプレゼントを選ぶなら
ここ、ル・ボンマルシェでしょう。
ブランドジュリエのファンの皆さんは、
きっとル・ボンマルシェ派では?
店内には去年に引き続き
クリスマスツリーの森が登場していました。
今年はホワイトクリスマスですね。
アンドレ・プットマンがデザインした
エレベーターと相まって、なんとも幻想的です。
これを見るためだけでも、来店する価値があります!
この日、久しぶりにル・ボンマルシェを見て気づいたのは、
アルチザン(職人)のいるスタンドが多いことです。
以前から、クリエーターの実演スタンドはありましたが、
その数が増えたと感じました。
ここ、アトリエ・ポーラン
は、made in Paris のアクセサリーブランド。
本当に、その場で、目の前で!
ジュエラーさんが
オリジナルのアクセサリーを作成してくれます。
素材は、ゴールドフィルドや18金。
予算に合わせて選べるのもいいですね!
最後に、私が住む庶民のエリア、パリ13区のコンフィズリー(甘いもの専門店)「ショコラティエ・ド・パリ」を。
11月の外出制限中の写真ですが、
すでにクリスマス商品が並んでいました。
もちろん例年であれば、
11月にクリスマス商品が並ぶのは当たり前のことです。
こういう昔ながらの店がなくなってしまったら、
パリの魅力も半減することでしょう。
常々そう感じている者として、
店主に感謝の気持ちを伝えましたよ。
日本の皆さんにとっても、
今年は厳しい1年だったと想像します。
メンタルも、体調も、
本来ではない違和感を感じながらの1年。
ついにワクチンが登場するようですが、
とはいえ、劇的に状況が変わるでしょうか?
ヨーロッパでは、まだまだ出口が見えない感があります。
2021年はどんな1年になるでしょう。
せめて、もみの木や門松の新鮮な香りで、
いい「気」だけでも取り込みたいものです!
今、我が家には、
手作りしたリース(のようなもの)があります。
もみの木に室内の空気を殺菌してもらって、
2020年にお別れをします。
どうぞ皆さん、お元気で!
それではまた、アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。
keiko’s paris journal <パリ通信 – KSL> パリのライフスタイルを更新中