ブランドジュリエ Paris通信 ベアトリス・ラヴァル ③
ベアトリス・ラヴァルさんのショップ
«Le monde Sauvage» へ!
前回は、ファブリックデザイナーで
«Le monde Sauvage»(ル・モンド・ソヴァージュ)オーナー、
ベアトリス・ラヴァルさんの
ご自宅をじっくりご覧頂きました。
今回は、パリのマレ地区にあるショップへご案内致します。
「パリで最も古いエリア」と呼ばれるマレ地区には、
ヴォージュ広場やカルナヴァレ美術館などがあります。
そのカルナヴァレ美術館のすぐそばに、
『ル・モンド・ソヴァージュ』のショップが。
早速中へ入りましょう。
入り口からもう、色と異素材の洪水です!
そしてニューノーマルのアルコールジェル。
ベアトリスさんは、
ショップのスタッフさんと意見交換中です。
奥へ進むとこんな感じ。
ソファにたくさんのクッションを重ね、
背の部分に
壁紙を吊ってパーティションにしてありました。
この壁紙、ベアトリスさん宅の玄関にも使われていました。
彼女の自信作で、
『ル・モンド・ソヴァージュ』ならではの
アプローチがあるのです。
「壁紙を作りたいと思ったのですが、
いいものがすでにいくらでも存在しています。
私のブランドらしい、他にはない何かができないかと
考えて見つけたアイデアが、
正方形のパーツを貼り合わせて完成させる壁紙でした」と、ベアトリスさん。
ロールの壁紙と違って扱いが簡単。
しかもハンドプリントのムラな仕上がりのおかげで
不揃いさが味わいになり、
パーツを柄合わせする必要がないのです。
「いびつなものや完璧ではないもの、
不完全なものの味わいを愛でることは、
日本の美意識の一つですね」とベアトリスさんに言われ、
確かにそうだと気づきました。
ワビサビのポエジーを、
日本人である私たちは
すっかり忘れてしまってはいないか?
実は、私の住まいには
1年ほど前に買った壁紙が置きっぱなしになっています。
早く使えばいいのに、
きれいに貼る自信がないから放置しているのです。
でも、完璧に仕上がるかどうかよりも、
大切なことがあるのかも知れません。
ベアトリスさんの言葉が、そう気づかせてくれました。
ベアトリスさん自慢の壁紙で、私もDIYをしたいです!
ハンドメイドの味わいのおかげで、
不慣れなDIYも必ず成功するはずですから。
パーティションの後ろ側には、ベッドルームの演出が。
ベッドヘッドの後ろの壁に、タピスリーが吊ってあります。
ものをその用途だけに使わないところが、
ベアトリスさん流のインテリア術であること、
前回のご自宅訪問でよくわかりました。
ショップにもそのエスプリがあらわれています。
タピスリーは床に敷くだけでなく、壁に吊っても素敵!
タピスリーを吊るツールとして、
カーテンリングやカーテンクリップを使っています。
これもいわば転用アイデアですね。
ベッドの上のクッションやベッドカバー、シーツ類、
全て素材も色も、柄も、まちまちです。
ベアトリスさんのご自宅のベッドルームと同じように。
そして自慢の壁紙は、なんと照明にも使われていましたよ。
ベッドルームの演出の向かい側には、
リビングルームの演出が。
ここにもハンドプリントの壁紙が使われていて、
さらにまた別の大サイズの壁紙が吊ってあります。
ここでもやはりカーテンリングを使用。
まるで舞台の背景のようですね。
壁紙の素材が上質でナチュラルだからでしょうか、
単に吊ってあるだけなのになんともいい雰囲気です。
そのお隣には、また別の演出がされていました。
プリントのクッションの中に、
ベロアのクッションやカーテンが加わると、
グッと奥行きが深まります。
そしてペンキ!
『ル・モンド・ソヴァージュ』が
新しく始めたシリーズとのこと。
内装全般に使用できるそうです。
ベアトリスさん宅のように、
壁とドアを同じ色に塗ってみようかな?
ショップ内を一通り見たら、
今度はウインドーをご覧ください。
アースカラーの布見本がずらり・・・
ガラスの反射を避けるために、
ウインドーの中に入れてもらって撮影しました。
ベッドルームの演出、
こちらでもハンドプリントの壁紙に
タピスリーを吊って重ねています。
ベッドの上は、
素材違い、柄違いの、クッションやシーツ、ベッドカバー。
素材感の妙を、私の写真ではお伝えできないのが残念です。
ソファの演出。無国籍ですね。
多様性は『ル・モンド・ソヴァージュ』の原点であり、
フランス文化に脈々と受け継がれるものだと感じます。
そして壁紙。
ベアトリスさん自慢の壁紙は、
もちろんブランドジュリエで取り扱っています。
ベロアのカーテン、クッション、ベッドカバー、タピスリーなども揃っていますので、
ぜひオンラインショップをチェックしてみてください。
オーナーの中川さんが厳選した品々は、
日本の住まいに絶妙な塩梅で
フレンチタッチを差し込んでくれるはず。これ、重要です!
目利きのセンスを頼ることが、失敗しない策であり、
満足を得るための近道だと思います!
それではまた、
アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。