ブランドジュリエ Paris通信 2022年スタート
パリの縁日博物館で
2022年をスタート
2022年のスタートを、皆さまはどのように祝われましたか?
私はパリ観光局のエロディさんに誘われて、Musée des Arts Forains ミュゼ・デザール・フォレン、縁日博物館へ行きました。
1月1日は、フランスでも祭日です。
お店や美術館はお休みするところがほとんどですが、
ここ縁日博物館は1月1日も休まず営業しています。
縁日の博物館でお正月なんて、とても縁起がいい気がします。
縁日博物館は、パリ12区のベルシーと呼ばれるエリアにあります。歴史的建造物のワイン倉庫群をショッピングセンターにした
「ベルシー・ヴィラージュ」をご存知の方も
いらっしゃるかも知れません。
でもそのほかには、
ベルシー駅と経済・財務省のビルがあるくらいで、
外国人観光客がわざわざ足を運ぶ見ものはあまりありません。
そのせいかどうかはわかりませんが、
縁日博物館のことを私はずっと知らずにいました。
でも到着して思い出しました、
以前前を通りかかった時に
「なんだこれは?!」とびっくりしたことを。
外壁に石膏の頭がいくつも並ぶ不思議な館が現れて、
度肝を抜かれたのです。
「ここは骨董蒐集家のジャンポール・ファヴァンさんが、1996年に開業した個人経営の美術館です。彼は70年代、ルーブル美術館向かいのアーケードに、骨董商が集まるルーブル・デ・ザンティケールを立ち上げた人物。縁日装飾と舞台芸術の蒐集は、彼のパッションなんですよ」
と、エロディさん。
エロディさんはファヴァンさんインタビューしたことがあり
(なんと彼の自宅で!)、蒐集品の倉庫を美術館として公開することにした、という経緯も教えてくれました。
4つの会場と庭からなる広い敷地に、
19世紀と20世紀の蒐集品が展示されています。
蒐集品も会場も、イベントや撮影に貸し出すそうで、
なんとウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」も、
ここで撮影されたそう。
中に一歩足を踏み入れると、
フランス世紀末、狂乱の時代へタイムスリップ!
ベルエポックといえばレヴュー。
レヴューの衣装も、当時の本物がたくさん!
全て貸出可能だそうです。
ジョセフィン・ベーカーが使った赤い羽根飾りは6kg。
これを被って、歌って踊る。
華やかな世界の常として、その影には想像もできない努力があるのでした・・・
お土産コーナーもとてもいい感じ。
ブリキのおもちゃやポスター、マッチなど、
レトロな品々が並んでいました。
これを買うためだけにでも、来る価値があると思ったほど魅力的な品揃え。しかもお値打ち価格でしたよ。)
マジック・ミロワールは、1924年の移動ダンスホール。
ベルギー製の木造建築で、解体して組み立て直すことができ、街から街へと移動してその土地のお祭りを盛り上げたのだそうです。
20年代といえば、憧れのアール・デコ。
内装はグレート・ギャッツビーの世界そのものです。
当時の自動ピアノも現役で、実際に音楽を奏でていました。
誰もが自由に参加できるダンスタイムもあり、
本当に、タイムスリップです。
他にも、インスタ映えスポットがいくつもありました。
「おじいちゃん、おばあちゃんにとっては、懐かしい縁日の思い出をもう一度体験できる場所。私たちにとっては映画や本で見たパリを体験できる場所です。通常は週に2回だけ見学可能ですが、クリスマス休暇の間は毎日営業していて出し物も多いので、この時期がおすすめですよ」
とのエロディさんからのアドバイスでした。
料金18€
割引料金14€ (障害を持っている人、18歳未満、25歳未満の学生)
3〜11歳12€
3歳未満は入場無料
*入場チケットに、アトラクションのチケットが2枚ついています。メリーゴーランドに乗ったり、ギャルソンレースで遊んだり、お好きなアトラクションに使えます。
Musée des Arts Forains
「ワイン倉庫は1859年の建築物です。1980年代には多くが破壊されましたが、こうして一部が保存され、生かされているのは何より。遠出をしなくても、パリ市内にいながら、田舎にいるようなのどかな雰囲気を満喫できます」
とのエロディさんの言葉に、私も賛成です。
次回のパリ旅行の際に、訪問されてはいかがでしょう。
個人的にはユーロディズニーよりも好きです。
そのためにも、コロナウイルスには一段落してもらわねば・・・
フランスのオミクロン株による
コロナウイルス感染拡大のニュースを聞いて、
心配されている方も多いことと思います。
数字だけを見ると、
一体どうなってしまったんだと思われるでしょう。
これは、クリスマスや年末年始のパーティ前に、
みんなが検査をしたからこその結果です。
検査が多ければ、陽性者の発見も増えます。
ご存知の通りフランンスはPCR検査が無料で、
今は自宅で自分で出来るオートテストもあり、
検査のアクセスがとても簡単です。
ヨーロッパで一番検査をしている国だと、
先日ラジオでヴェラン連隊保険大臣が話していました。
感染者数は確かに異常ですが、そんな背景があってのことなので、人々は冷静に対応し生活を続けています。
レストランも映画館も、これまで通り営業しています。
年末年始を日本で過ごした友人がパリに戻り、着いてみたら
日本でのイメージとのギャップに拍子抜けしたと話していました。
そのくらい、普通にやっています。とはいえ、油断大敵です。
それではまた、
アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。