ブランドジュリエ Paris通信 ヴェルサイユ宮殿へ!
ヴェルサイユ宮殿へ!
ミュージアムショップの新作と、グランカナル沿いのピクニック
6月末、ヴェルサイユ宮殿へ行きました。コロナ禍以降初です。
フランス国立美術館のミュージアムグッズを手掛ける
RMNグランパレが新作発表をするということで、
お披露目を兼ねたピクニックに招待してくれたのです。
まずは宮殿入り口にあるラ・リブレリー・デ・プランスへ。
ここは、ヴェルサイユ宮殿の見学をせずとも
アクセスできる場所にある、唯一のミュージアムショップ。
「店内がアパルトマンのようになっているのも魅力です」と、
ショップ責任者のマダムが言うように、
中はテーマごとに違った演出がさていて、アート本のコーナー、お土産グッズのコーナー、子供のコーナー、という具合。
それぞれを訪ねて歩く楽しみがあります。
今回は、メゾン・バルションとのコラボラインと、ギャラリー・デ・モードのシリーズの新作を見せていただきました。
どちらも王家のコレクションからモチーフをとっているので、フランス土産にもってこいです。
トレンドをおさえ、
お土産としてではなくとも欲しくなるグッズばかり。
DIY人気を反映して、
アイロンプリントの刺繍アップリケや壁紙もありました!
メゾン・バルション創業者のトマさん曰く、
壁紙はメゾンのベストセラーの1つだそうです。
新作を見た後は、ヴェルサイユ宮殿を自由に見学。
これで何回目かな、というくらい見学していて
知ったつもりのヴェルサイユ宮殿ですが、
今回見てみて
内装にグリーンが多用されていると気づきました。
ルイ15世第5女マダム・ド・ヴィクトワールの寝室のテキスタイル、可愛らしい若草色です。ピスタチオ、と言うのかな。
ルイ15世様式の内装は、女性的でエレガント。
今の時代でもルイ15世様式からインスピレーションを得た
パラスホテルやラグジュアリー空間は多いです。
長く続いたルイ14世の御世がようやく終わり、
重々しさを払拭して明るさや軽やかさを求めたルイ15世の
感性は、現代人にも訴えかけるものがあるのですね。
もう一つ、やや簡素なこちらの寝室もグリーンでした。
誰の寝室だと思いますか?
なんと、マリー・アントワネットの寝室です。
なんでも、王妃は人生の後半この寝室で寝ていたそうで、
よく知られているオフィシャルな寝室の方は
出産など特別なイベントにしか利用されなかったそうです。
元々足が悪かった上に
落馬で体調を崩したマリー・アントワネットは、
階段を使わずに移動できる地上階(1階)のアパルトマンで
暮らしていて、そのアパルトマンの寝室がここだと。
ヴェルサイユ宮殿を見学していると、どの寝室もあまりに豪奢で「落ち着かないだろうな・・・」と思うのですが、
この寝室は装飾を極力抑え、居心地最優先だと感じました。
ヴェルサイユ宮殿を歩きながら痛感することは、
マリー・アントワネットを始め
王族の人生はなんとも奇妙だ、ということ。
何せプライバシーが全くない!
人権が主張できる現代では考えられないことです。
飢えた農民を思うと本当に気の毒ですが、
王族の方もあまり幸せではなかったかも・・・どうでしょう?
さあ、見学の後はピクニックです!
グランカナルの脇へ移動しました。
王家の庭が、今ではこうして公開され
誰でも自由に利用できるのですから、デモクラシー万歳です。
革命を起こしてくれた当時のフランス人のおかげ。
メゾン・バルション創業者のナタリー・ヴィダルさんと、
トマ・プレネールさんも合流。
王家のコレクションからモチーフを取った新作コラボ商品のナフキンを使って、王家の庭でピクニック。
フランスのアール・ド・ヴィーヴルを感じますね!
パニエの中のピクニックメニューにも感動しました。
なんと、オールベジタリアン仕様。
フランスの食も変わったものだ、と感動しました。
伝統フランス料理はお肉がメインだとしても、
元来味覚分野の仕事にはたけた人たちです、
一度本気を出せば
ベジタリアン料理もとても美味しいものを作ってくれます。
スプリングロール、シリアルと野菜のボウル、
レッドベリーのタルト、
どれもエディブルフラワーをあしらって、彩りもとても素敵。堪能しました!
この日、ヴェルサイユ宮殿は観光客で大賑わいでした。
本格的な夏休みにシーズンに入ったら、
さらに賑わうことになるのでしょう。
アフターコロナ、ウィズコロナです。
日本からの観光客も、
この夏からいよいよ戻ってくると聞いています。
オミクロンの感染者が増えているので用心は怠らず、
いい夏を過ごしたいものですね。
それではまた、
アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。