ブランドジュリエ Paris通信 リッツ・パリ
リッツ・パリの
クリスマス2022
クリスマスといえばビュッシュ・ド・ノエル。
木の切り株を模したロールケーキのクリスマスケーキは、
日本でもすっかり定番になっているそうですね。
毎年夏休みが明けてしばらくすると、
パリのジャーナリストたちは新作ビュッシュ・ド・ノエルの試食会招待で大忙しになります。
すぐに画像を公開していいメゾンもあれば、公開日を指定するところもありで、なかなか神経を使うところ。
リッツ・パリは、今年は
12月に入ってから画像を公開することができました。
その試食会の様子と、2022年12月現在の様子を交えて、
今回はリッツ・パリのクリスマスをお伝えします。
まず12月現在のリッツ・パリ。なんと、ヴァンドーム広場にシャレー・ド・ノエル(クリスマスの山小屋)が登場しています。
これはコロナ禍の2020年にはじまった、
テイクアウトのサーヴィスが発祥なのです。
辛い出来事をバネにして好転させる、
フランス人らしいアイデア精神ですね。
このシャレーで、今年はヴァン・ショー(ホットワイン)や
シャンパンなどが楽しめる他に、
リッツ・パリのオリジナルグッズ購入も。
さあ、ホテルの中へ入りましょう!
玄関を入ってすぐのところにあるお迎え花のコーナーには、リッツの色、ブルーをつかった観覧車が飾られていました。
これは、リッツ・パリ専属フローリストの、
アンヌ・ヴィッシェンさんの作品。
彼女のインスタアカウントに、
制作過程の動画がアップされています。
フローリストの枠を超えて、
こんなふうにオブジェまで手掛けられるとは!
ミニチュアの街並みと一つになった、
素敵なインスタレーションですね。
https://www.instagram.com/anne.vitchen/
その右隣、螺旋階段の脇には、
毎年恒例の巨大クリスマスツリーが!
赤いガラスのオーナメントで飾られた、
とびきりゴージャスでシックなクリスマスツリーです。
映画「ナルニア王国」を思い出すのはなぜだろう、と思い、
写真をよくよく見たところ、
バックのゴブラン織のせいかもしれないと気づきました。
ゴブラン織のタピスリーを背に燦然と輝く
クリスマスツリーは、リッツ・パリならでは!
廊下を進むと、右手に「サロン・プルースト」が現れます。
リッツ・パリを愛した作家マルセル・プルースト。
ここは、彼にオマージュをささげ誕生したサロン・ド・テです。
名物はもちろん、プルーストと言えばのマドレーヌ。
ここのフランス流ティータイムは、ブラン・ド・ジュリエの
ファンの皆さんに強くお薦めしたいです。
なぜなら、リッツ・パリのシェフパティシエ、
フランソワ・ペレさんのスイーツを、パラスの空間とサーヴィスで堪能できるから!
インテリアや花が超一流であることは言うまでもありませんね。
フランソワ・ペレさんは、
私が最も好きなパティシエの1人です。
奇をてらわない伝統的な焼き菓子を、
ひとつひとつ丁寧に作る稀有なパティシエ。
今のご時世、誰もがインスタ映えを狙った
スイーツばかり作る中で、実直な仕事は貴重です。
かつ、パティスリーの美しさや独創性も見事。
では、フランソワ・ペレさんによる今年のクリスマスコレクションを、9月に行われた試食会の写真でお伝えいたしましょう。
リッツ・パリのビュッシュ・ド・ノエル2022は、ジンジャーマンクッキーを模したシナモン風味のスポンジケーキです。
長靴や雪だるまのモチーフが、可愛らしいですよね。
食べればスポンジケーキの繊細な食感と口溶けに、
程よいコクと深みのヴァニラクリームが相まって、
これぞパラスホテルのスイーツ!
甘さの加減も完璧で、普通のケーキとは別の次元のものです。
何工程もある製造プロセスが、
フランソワ・ペレさんのインスタアカウントで紹介されていますので、よろしければご覧ください。
https://www.instagram.com/francoisperret/
フランソワ・ペレさんのクリスマスコレクションは、
先ほどの「サロン・プルースト」や
レストラン「バー・ヴァンドーム」の他に、
コロナ禍以降誕生したケーキショップ「ル・コントワール」で味わうことができます。
「ル・コントワール」ではテイクアウトもできます。
パラスホテルの楽しみ方が、
ちょっとカジュアルに、より広くなるのは嬉しいですね。
シーンに合わせて、利用する場所を選べるのですから。
次回のパリ滞在のご参考になればと思います!
それではまた、
アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。