ブランドジュリエ Paris通信 ブロカントの季節
ブロカントの季節
春は大掃除の季節。
そしてブロカント、フリーマーケットの季節です。
日本では、大掃除は1年の節目の12月と決まっていますが、フランスでは春。
なぜかというと、冬の間締め切っていた窓を全開にして、
家全体をきれいにするのにぴったりの季節だから。
大掃除をして出てきたガラクタや不用品は、
安く売って処分したいですよね。
窓も磨いて、待ちに待った太陽を余すことなく家の中に取り込んで。
というわけで、春はBrocante ブロカント、
Vide-Grenierヴィッド・グリュニエ(屋根裏の物置を空にする、つまりフリーマーケットの意味)の季節でもあるというわけです。
そんな春の週末、パリ市内を歩けば必ずどこかでフリーマーケットに当たる、というくらいあちこちで開催されています。
予定のない週末のアクティビティには嬉しいもの。
今回は、ご近所で開催されていたフリーマーケットの様子をお見せします。
雑誌で見る蚤の市の風景とはだいぶ違いますが、
パリの庶民の暮らしぶりをご覧くださいませ。
まずはパリ12区Reuilly-Diderot
リュイイ・ディドロのフリーマーケット。
ちょっとした街角のスペースを使った、
小規模なフリーマーケットです。
蚤の市で見るようなプロのスタンドは皆無で、
「こんなもの買う人いるのかなー」と首を傾げたくなるような品揃えがほとんどでした。
それもまた良し。
掘り出し物に出会えるかもしれませんから。
大理石のテーブルのついたキャビネットや、
無垢材のチェストを売るおじさんに値段を聞いてみたところ、チェストは35ユーロでした。
安いです。色を塗り直すか、ニスを取り除くかすれば、見た目の印象がぐっとモダンになるでしょう。
中に収納もできるし、
ベランダに置くのにどうだろう、としばし想像。。。
この安さなら、
なんの気兼ねもなく外に置きっぱなしにできます。
続いては、
Wattigniesワッティニー通りのフリーマーケット。
本当に、大掃除で出た不用品を大処分!という感じ。
庶民パワー炸裂で、工事現場の柵まで利用したディスプレーにはびっくりしました。
ここで思いがけない掘り出し物をゲット!
ガラスの水差し、2ユーロです。
うちには花瓶がなくて困っていたので、これはちょうど良さそう。
早速、こんなふうに使っています。
他にも、いろいろな瓶を総動員して。
ちなみに、白くペイントした籐の鏡も中古品で、これはエマウスというチャリティーショップで購入したものです。
エマウスはフランス中どこにでもあります。
家の不用品を引き取ることもしてくれます。
私も子供服やおもちゃ、絵本など、たくさんエマウスに出しました。
エマウス
https://emmaus-france.org
アルファルファを栽培する瓶に、ワックスフラワーを生けて。
隣の瓶は、最近話題のノンアルコールジンです。
ヨーロッパでは、
アルコール以外の飲み物でアペリチフを楽しみたい、
というニーズが高まっていて、いろいろな種類が出回っています。この瓶も、後で一輪挿しになりそう。
一輪挿しといえば、最近ご近所の食材店シャン・リーブルで、花を買えるようになりました。
地産地消、生産者から届く野菜や果物、チーズなどなど。
それらにまじって花があるのは素敵です。
畑の生物多様性のためにも、花は重要なんですよね。
シャン・リーブル
https://www.champslibresmagasin.com
最後に、マレ地区のブロカントの写真を。
やっぱりマレのブロカントに立つスタンドはおしゃれ。
クオリティも全然違います。
当然値段も高くなりますが、目的買いで、いいものに出会いたい時は、最初からこういう場を選ぶのが得策でしょう。
家庭の不用品大処分のフリーマーケットは、
週末の散歩がてらくらいがちょうど。
なんでもブロカント、フリーマーケットのコツは
「目的を持って出かけないこと」だそうですよ。
それではまた、
アビアントー!
Keiko SUMINO-LEBLANC
パリ在住ライター・コーディネーター 日仏語翻訳者
1997年からパリに移住。
パリでの結婚・子育てを経て
フリーランスライター・コーディネーターとして活躍中。食とライフスタイルを専門とするジャーナリストとして、
フランス、日本の数々の雑誌・メディアに寄稿。また、翻訳家として単行本も共著。